残業代の未払いという問題は、様々な会社で発生する可能性があり、実際に訴訟にまで発展したケースもあります。

法律上の解釈によると、労働時間に関しては、1日8時間、1週間に40時間を超える労働をさせてはならないと、労働基準法で定めています。但し、会社と労働者の代表あるいは労働組合との間で労使協定が結ばれていれば、一定の範囲で残業を命じることができます。一定の範囲とは、1週間で15時間、1ヶ月で45時間が上限とされています。

つまり、残業代が全額支払われていても、この上限時間を超えて労働を命じれば、労働基準法違反になります。残業時間とは、会社の命令の下の置かれた労働時間のうち、就業規則が定める1日の所定労働時間を超える部分です。つまり、会社の業務命令に従って労働した対価として、通常の賃金に割増率を乗算した残業代が支払われる必要があります。割増率は25%で、深夜以降であれば、さらに25%が加算されます。万一、支払われない場合は会社に請求することができます。

もし、残業代請求に関する訴訟を起こす場合は、重要な判断材料は残業したことを証明できる証拠資料です。また、時効は2年となります。2年を経過した残業代については、それを証明する明確な証拠があっても、時効が成立して失効します。しばしば困難になりえるのが、残業代請求の証拠資料を収集することです。

1つはタイムカードがあります。但し、タイムカードが示す時間帯に会社にいたことは証明できても、必ずしも労働していたとは限りません。また、タイムカードがない場合やオフィスを離れた場所で仕事をしていた場合もあります。

労働者が記入した作業日報やパソコン上のメールの送受信記録、あるいはサーバーへのアクセル記録も証拠資料にはなります。この場合は、退職後では証拠収集が難しくなるため、退職前に記録を収集することが重要です。

いずれにしても、証拠となる資料はいずれの形でも残っていますので、訴訟には十分です。